エナメル質形成不全症とは? | スマイルデザイン吉田歯科

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2015.07.31

エナメル質形成不全症とは?

エナメル質形成不全症(MIH)とは、エナメル質が生まれつきモロい状態のことを言います。主に永久歯の前歯と6歳臼歯に見られることが多く、黄色っぽい変色が特長です。この病気の原因としては、「妊娠中の母親の疾患や服薬」「出産時の障害」「早期産」「生後1-3年以内の疾患や抗生剤の投与」など様々なものが挙げられていますが、どれも決定的なものとはされていません。要するに、「よく解っていないことが、まだまだたくさんある分野」とも言えます。 

 

 

どのくらいの子供に起こる病気なの?

先ほど、前歯と6歳臼歯でよく見られるとお伝えしましたが、大きなトラブルになるのは6歳臼歯です。エナメル質形成不全症により柔らかくモロい状態になってしまっているエナメル質、これに大きな噛み合わせの力がかかることによって、歯自体が欠けてしまうリスクがあります。これは歯自体の防御力の問題なので、どれだけ綺麗に歯磨きをしていたとしても、回避できないことも多いのです。2012年4~6月、日本の千葉県内にて行われた、7~12歳の児童3,348名に対する大規模調査では、お子さんの「10人に1人」がエナメル質形成不全症に罹患していることがわかりました。「子供の虫歯は親の責任!」と言った風潮がある中で、「ちゃんと仕上げ磨きまでしているのに、なんで虫歯になるのだろう・・・。」とお悩みのお母さんも沢山いることと思います。しかし、エナメル質形成不全症の場合は、どんなにしっかりケアをしていても、他の歯に比べて虫歯になるリスクはどうしても高くなってします。

 

 

どうすればいいの?

大切なのは、ご自身のお子さんがエナメル質形成不全症かどうかを知ることです!そしてできるだけ早期に歯科医院にて、生え始めた永久歯の奥歯のエナメル質形成不全を発見してもらい、経過観察を始めましょう。もしエナメル質が欠けたり崩れたりしたら、レジンと呼ばれるプラスチック材料を用いて補強していきます。大きく崩れる前に小さな補強をすることで、できるだけ長持ちさせることが重要です。こうして失われていくエナメル質をレジンで補いながら、お子さんのお口の成長と完成を待ち、本格的に被せ物が必要になるタイミングを遅らせることができます。そうすることで、最終的な治療のやり変えを減らすことができます。エナメル質形成不全症でも、早めに気づいて定期的にメンテナンスに通っていただければ、予防や小さな処置などできることはたくさんあります。 

 

 

 

悩みこまないで、まずはご相談を!

「歯磨きを丁寧にしているのに・・・」「なんでこんなに虫歯ばっかり・・・」とお悩みの方、いらっしゃいませんでしょうか?もしかしたらそれはエナメル質形成不全症かもしれません。そうであれば、原因はお子様の歯磨き不足のせいでも、ご家族の努力不足のせいでもありません。

エナメル質形成不全症をご家庭の努力で守るのは大変難しいものです。当院では、子供矯正治療が盛んに行なわれていることもあり、定期検診にも力を入れております。ぜひ、一度ご相談ください!

 

参考文献

1.Atsuo S, et al. Prevalence, severity, and potential aetiological factors of Molar-Incisor Hypomineralization in Japanese children. J Health Care Dent. 2014; 14: 6-12. 

2. Garg N et al. Essentiality of early diagnosis of molar incisor hypominerali-zation in children and review of its clinical presentation, etiology and management. Int J Clin Pediatr Dent. 2012; 5: 190-196. 

3.Kushu OO et al. Association of amoxicillin use and molar incisor hypomineralization in piglets: Visual and mineral density evaluation. Arch Oral Biol. 2013; 58: 1422-1433. 

4. Tailor B, et al. Molar-Incisor Hypomineralization. (Mih): An Unusual Case With Literature Review. Advances in Medical and Dental Sciences 6(1): 6-10, 2017

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